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理事長のあいさつ

理事長 桧尾めぐみ 

 

≪ピュアの軌跡とこれから≫

早いもので、2003年に東大阪自閉症親の会ピュアを立ち上げてから、今年の4月で10年目を迎えようとしています。小さな親の会から少しずつ大きくなっていったピュアの軌跡をたどると、ピュアの理念と志に共感し、協力して下さった各方面の方々からのご支援なければ、今日はありませんでした。また、苦楽を共に歩んできた保護者メンバーの底力には何度も助けられました。子どもたちが、放課後や長期休暇など、安心して遊べる居場所を自分たちで作ろうという保護者のニーズから生まれた、タイムケア事業ピュアスペース。この事業の認可を東大阪市から受けるために、任意団体からNPO法人格を取得し、東大阪発達障害支援の会ピュアと団体名も改め、サービス提供事業所としてスタートをしました。昨年で満5年を迎えたタイムケア事業ですが、更に、それぞれのニーズに即したスキル習得の場としての提供ができるよう、児童デイサービスに移行させることにしました。

児童デイサービスに移行させたかったもう一つの理由は、利用料金を下げることにありました。タイムケア事業では、市町村の任意事業であったために行政からの補助金が少なく(注:東大阪市には任意にもかかわらず認可して下さったことに深く感謝しています)、ピュアの持つ専門性の質を落とさないためには、利用者さんから自己負担金を多くいただくほかありませんでした。しかし、昨今の長引く不景気のあおりもあってなのか、ピュアを利用したいけれど、利用料金が払えないので利用できないといった声を、しばしば耳にするようになりました。「家計に余裕のある家庭の子どもだけが、質のいい支援を受けることができるというのはおかしい。求める人には平等に与えられるシステムにしなければ」と、私は思います。障害児を抱えている家庭は、母親がパートに出ることもむずかしい現状です。そこで、都道府県指定(※4月より法改正に伴い変更されますが)の児童デイサービスへと移行させる運びになり、安定した補助金が入ることによって、利用料金を下げることが可能になりました。

そして昨年12月には、すでにご承知のとおり、NPO法人発達障害サポートセンターピュアと、再び法人名を変更することにしました。乳・幼児期から成人期にわたり、支援の質が途切れることなく全年齢に対応できる、センター的な役割を果たす法人、という意味で、サポートセンターピュアと改名しました。ピュアは、着実に進歩しています。壁にぶち当たっても決して諦めず、コツコツと実践を積み重ね、前を向き歩み続けていくことが、何より大切と感じています。

私の最終目標は、自閉症・発達障害児者の人々が、住み慣れた地域で自立し、理解されながら、生涯にわたり、一人一人に必要な支援が提供される、ライフステージの仕組みを作ることです。そのためには、他機関等との連携、協力し合える関係づくりも不可欠です。  この目標を掲げた当初は、自分でも気の遠くなるような話でした。しかし、少しずつですが、形になってきているように思えています。

 

≪療育支援ピュアサポート教室・余暇支援ピュアスペース≫

余暇支援でお子さんをお預かりする中で、一人一人特性の違う子ども達に対し、マンツーマンでの指導の必要性を感じて新たに始めた事業が、療育支援ピュアサポート教室です。たとえば、お友達とのコミュニケーションや、感情のコントロール、社会性などを身につけさせたいという保護者の方からの希望があったとします。しかし、集団の中にただいるだけでは、スキル習得に限界があります。場を設定し、個別に学ぶ時間があって、その後に集団の中に入るほうがより効果的ということを、実践経験から言えることができます。

ピュアサポート教室では、子どもの興味関心や、強み弱みなどを評価し、個別支援計画を立てて指導しています。そして、自閉症・発達障害の人たちに何かを教えるときには、モチベーションが不可欠で、そのモチベーションを視覚的に示すことが大切です。本人が興味あることに対しては、たぐいまれな能力を発揮し、どんどん知識を吸収していきます。気が乗らない作業や学習でも、これを終えたらご褒美や楽しみが待っていることで頑張れます。逆に、苦手なことを繰り返しさせられるとか、視覚的に示さずに話し言葉ばかりで教えられる、またモチベーションが低い活動を与えられたりした場合、その場では習得したかのように見えても記憶に残りづらく、学んだことが定着しにくいという特性があります。「好きこそものの上手なれ」という、ことわざがあるように、本人の興味ある要素や活動を取り入れながら、生活に役立つ様々なスキルを植え込んで行き、自立に導くのが、ピュアサポート教室のコンセプトです。

また、余暇支援ピュアスペースでは、集団療育の場と捉えています。お友達とパソコンの順番をまもる、ゲームなどの遊びを通じてルールを理解する、言い争いになった時、相手の気持ちを想像し理解する力をつけるなど、集団の場ではソーシャルスキルを学べるチャンスです。培ったスキルが集団の場で活かせてこそ、家庭や学校、または社会へと一般化していくと考えています。

 

≪就労支援ピュアファクトリー≫

2012年4月1日より、大阪府より就労継続支援B型の指定を受けて「就労支援ピュアファクトリー」をオープンさせます。

ピュアファクトリーでは、ただ施設内外で作業を行うことだけを目的にしているのではりません。自閉症・発達障害者の特性の強みを仕事に活かすことを第一に考えます。また弱みをカバーするためにはどんな支援が必要なのかも評価します。就労するにあたって、求められることは、コミュニケーション能力や体力です。指示に応じることができること、分からない事や手助けしてほしいことを表現できること、変更を受け入れることのできる柔軟性また作業を続けることのできる体力や、規則正しい生活リズムも重要です。ピュアファクトリーは、ピュアサポート教室の成人期版で、職能訓練の場と考えていただけると分かりやすいかと思います。学齢期は、学習や生活スキルなどを積み重ねる学びの時期ですが、成人期では、学齢期に培ったスキルで何を発揮できるのかが問われてきます。ピュアで学んだ子ども達が、成人期になって学びが途切れてしまうことのないように、成人期のサポートとして、就労支援事業を立ち上げることにしました。就労移行支援では2年間しか施設を利用できないという国の制約があるのですが、就労継続支援B型は、利用年数に制限がありません。施設内での作業や、企業実習など、施設内外にとどまらず、ゆっくりと年数をかけて、様々な仕事にチャレンジしていただきたいと思っています。そして、何が得意で何が不得意なのかを知り、一人でも多く、得意分野を活かせるような民間企業や、最低賃金が保障されている就労継続支援A型の事業所などへ移行し、雇用に結びつけることができたらと考えています。また、移行してもうまくいかなかった場合は、ピュアファクトリーに戻ることができる体制も考えています。

たとえ、一般就労が可能になったとしても、就職がゴールではありません。長期間の雇用に結びつけるためには、就職後の定着支援が不可欠なので、職場へのサポートも行いたいと考えています。また、必ず移行しなければいけないわけではなくて、ピュアファクトリーで長く働き続けたい、居続けたいという方もOKです。現時点で3社より仕事を請け負っています。工賃は出来高払いで、必要経費を差し引いた金額のお給料を月末にお渡しします。

ピュアの利用者の方々は学齢期の方が大半で、まだピンとこない方も多いかと思いますが、学校卒業後の人生のほうがはるかに長いです。障害があっても、可能性を秘めている方はたくさんいます。その方たちのために、より良いチャンスを提供し続けたいと思っています。

ピュアファクトリーは4月1日よりオープンです。場所は、児童デイサービスのある同じ建物のフロアで、ピュアスペースの隣になります。新規事業のため、しばらく慌ただしくしていると思いますが、落ち着いた頃に、施設見学会を行う予定にしています。乞うご期待ください。

2012.3
理事長 檜尾めぐみ

 

≪理事長 桧尾めぐみ プロフィール≫

【経歴等】
・NPO法人発達障害サポートセンターピュア 理事長・センター長
・大阪PECS研究会 代表
・自閉症スペクトラム支援士
・相談支援専門員

 

【東大阪市との協働事業等】
・平成20年度        東大阪市発達障害児(者)支援システム構築プロジェクト
              ・モデル事業検討委員
・平成20年度        東大阪市第2期障害福祉計画・新障害者プラン後期計画策定・懇話会委員
・平成21年度        東大阪市発達障害児(者)支援の在り方検討会委員
・平成22~25年度継続中  東大阪市自立支援協議会発達障害就労部会分科会委員
・平成23年度       東大阪市第3期障害福祉計画策定懇話会委員
・平成23年度       東大阪市自立支援協議会子ども部会分科会委員
・平成23年度       東大阪市第3期障害福祉計画策定懇話会委員
・平成23~25年度継続中  東大阪市自立支援協議会子ども部会発達障害サポートシート分科会座長
・平成25年度       東大阪市障害者計画策定懇話会委員

 

【学会発表】
●日本自閉症スペクトラム学会
・平成19年「AAPEPによるアセスメントと自閉症のコミュニケーションについて」
・平成22年「自閉症の青年期(自発的なコミュニケーション手段の獲得による
      プロンプト依存からの脱却)」
・平成23年「NPO法人による自閉症スペクトラム児への自立生活支援~子ども主
      体のプログラムによる家庭や地域での自立を目指して~」
・平成24年「激しい自傷行為がある自閉症スペクトラム児へのPECSの応用」
・平成25年「指示待ち傾向の高い自閉症青年へのコミュニケーション支援
      ~学齢期から成人期において、地域社会での一貫した支援を~」

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